いまどき、海外旅行先でのガイドって、無線機みたいなものを使うんですね。
イヤホンを渡されてそれを耳に突っ込んで。
そしたら、ガイドさんの声は(当然ですが)耳元に届くわけです。
まあ、周りは団体旅行者だらけですから、そういうのがなければ、うちのガイドが何を言っているのかほとんど聞こえない、という状態になり得ますからね。便利になりました。
ただ、私はこれで大失敗をしました。チェコで。
ぶっちゃけていいますと、『迷子』になってしまいました・・・。
あなたにも気を付けてもらいたいので(てか、そこまで注意力散漫でないよ、とおっしゃるかもしれませんが)シチュエーションをイメージしやすく書きましょう。
プラハで、次はカレル橋へ行くよ、という前の段階で、見晴らしのいいところにあるお城から、下に下っていく途中の事でした。
私は、あまりの景色のよさに感動して、写真を撮りまくってました。
ガイドの声は聞こえるし、安心していたのですが、ふと気が付くと、周りのどこを見渡しても私の家族もガイドさんも見えません。
ああ、たぶん先に行ってるな、と思って、急ぎ足で坂を駆け下りました。
ところが、分かれ道があるんですね。
これが正しかったのかどうか、今でもわかりませんが、とりあえずガイドの音声は聞こえているので、人の多い方へ降りていきました。
行きついたら、完全にお城のエリアから出て、目の前には道路が広がっており、もう右に行ったらいいのか、左に行ったらいいのかが全く分からなくなりました。
そのうち、耳から聞こえるガイドさんの声で、「あっちを見てください、黄色い建物があるでしょう?これは・・・」とか解説をはじめるのが聞こえました。
「ああ、これを探そう」と思い、見渡したのですが、黄色い建物、あるにはあるのですが、その付近にそれらしい人たちは見当たりませんでした。
どこか違うところで見ているのか、または違う建物なのか。
「道路を渡ります」って聞こえる。
少なくともお城のエリアから出て、おそらくこの見えている道路のどこかにいるのだろう、と考えて、とにかく探すようにしました。
その時考えたのが、「おそらくそんなに遠くではないだろう」ということです。
それはなぜかというと、ガイドさんの声の聞こえるこの無線機、当然そんなに高性能、というほどではないと考えたからです。
たぶん、(こういう機器には詳しくはありませんが)聴取範囲は数百メートル程度だろうと思ったのです。半径1キロもあったらお手上げですが、100メートル程度なら見つけられると思ったんです。
ただ、やはり街中となるとどの道を歩いているのか、道はたくさんあるので、なかなか難しく、少し動くとガイドさんの声が入らなくなる、という状態になりました。
で、また戻ると聴こえる、の繰り返し。
これは、聴こえなくなったところから、もう一度戻ると聴こえるようになるということは、そちらの方向にいる(だろう)ということと、理解したのです。
でも、思っていた方角と違うと(その方角も正しいという根拠はなかったんですが)不安になります。
その時に思い出しました。この後、カレル橋に行くんだった(と思う)。
全然道は分かりませんが、現地の人らしい親父さんを見つけて、適当な英語で(現地の人のほとんどは英語は分からないらしい、というのは後で聞いた話です)カレル橋はどこか、を聞いたのです。ほとんど身振り手振りで。
何じゃ、こいつは?みたいな顔を一瞬されましたが、たぶん、迷ったな、と理解されたのでしょう、結構笑顔で教えてくれました、指さしで。「あっち」って。
でも、なぜか思い出せませんが(言葉が通じているわけでもなかったのですが)、こっちに行く方が近道だよ、って教えてくれたのです。これも、たぶん、です。
確かにその通りに行ったら、すぐにつきました、カレル橋。
しかし、どこから橋に行けばいいのか、大きすぎてわかりません。
で、近くに水兵さんのような恰好をした、大きな男の人たちが(たぶんどこかのお店の客引き)いたので、「どこから橋に登れるのか?(着いたのが、橋の下だったので、見上げていました)」と聞いたんです。
そしたら、先ほどのおやじさんほど親切間はなかったのですが、めんどくさそうに、「あっちに階段がある」と教えてくれました。
そうそう、そのだいぶ前にうちの家族が「パパがいないんです」とガイドさんに言っているのが、耳から入ってきてました。
ようやくカレル橋に到着。ここを行き来していれば必ず会えるだろうと。
耳からも「カレル橋に到着」という声が聞こえました。
どうも、私の方が先についていたようです。
ガイドさんの声で、「今から15分ほど自由行動します。15分後にここの黒い塔の前で待ち合わせです」と言っていました。
「黒い塔だ」と思って、橋の両側を見ました。
しかし。
黒い塔といえば黒い塔のようなものが両方の端にあるのです。
どっちやねん?と自分で突っ込みましたが、とりあえず動けば会えるだろうと思って動きました。
2往復ほどしたところの端の真ん中あたりで会えました。
今回の失敗の要因は、2つあると思いました。
1つ目は、ガイドさんの声が耳から聞こえるので安心したうえに、距離が離れても声は遠くにならないのでガイドさんから離れていっているのに気が付かなかったこと。
当たり前のことですが、この「無線機から聞こえる声は、ガイドさんとの距離がわからない」というのはとても気を付けないといけないことです。
2つ目は、周りに日本人(と思われる)観光客が多い、ということ。
これによって、まだ近くにいる、と思い込んでいたんだと思います。
ただ、迷子になっても(焦りはしたものの)悲観的にならなかったのは、ツアーなので放って帰られることはなかろう、という、少し楽観的な考え方があったことと、やはり日本人観光客(ツアー)が多いのは分かっていましたので(日本語があちこちから聞こえてきていました)、いざとなればどこかのツアーのガイドさんに助けを求めよう、と思ったことです。
昼食などで、他のツアーと一緒になることがよくあるのですが、ガイドさん(日本人。ツアー会社の人)はツアー会社が違っていても、結構顔見知りが多いようで、情報交換をよく行っていたのを見ていました。
なので、おそらくそういうネットワークもあるだろう、と思っていました。
もちろん、そうならないようにするのが最も重要なので、特に写真が好きな人は注意してくださいね。
これが子供だと、とんでもないことになりかねませんし、大人でも場所によっては、怖いことに巻き込まれる恐れもありますので。
そういう意味では、わたしはラッキーだったのでしょうね。
道を聞けた人たちが、いい人ばかりだったしね。
感謝、です。